とちテレアナウンサーブログ

2011年04月03日(日)

「たからもの」

コンクリートの盛り土止めが
真っ二つに裂かれた庭を見ながら
「90年間生きてきて
こんなのは初めて」と男性。

幾重に大きな亀裂の入った
家を見つめながら
「自然に逆らいすぎたのよ」と女性。

カメラを向けるのがつらい日々が
きょうも、過ぎていく。

「家はいずれ壊れるものだから」と
女性は気丈に笑っていたが、
こちらはどんな表情で返したか…
はっきり言って覚えていない。

私もボランティアの取材を
ここ数日行っている。
被害の大きさも実感できるが
助け合う人々の「大きさ」も
また、感じることができる。

若い人の参加が多いそうだ。
みんな口々に
「自分でできることは何か
考えてここに来た」と話す。

きょうは志茂田景樹さんの
絵本読み聞かせボランティアの
取材だった。

福島から避難してきた人。
子どもも20人以上いる。

「周りに子どもがたくさんいるから
本人たちも楽しんでいるのでは」と
お母さんが話す。
確かにその光景も展開されている。

どちらから?と聞くと
原発のおひざ元の町だった。
いつ帰れるのか、分からないのだ。
いつまでも「元気」であればよいが。

読み聞かせの会場は
ひと言で表現するなら
「あったかかった」。

志茂田さんが体も使って
大きく「世界」を作る。
他のメンバーの皆さんも
紙芝居だったり、音楽だったりで
空間を作っていく。

カメラのファインダー越しに映る
子どもたちの表情が
みるみる変わって行くのが分かった。
まっすぐな目、緩んだ口元、
遠くを見ようと頭が少しずつ上に。

志茂田さんが言っていた。
「生きるってすばらしいということを
伝えたい」。
子どもたちの表情は、まさに
「生きる」ことに満ちあふれていた。
こんな表情は初めて見た。

瞬間に思った。
「たからもの」だ。
だから一刻も早く
自分の場所に帰らないといけない。
表情が曇らないように。

あるおじいちゃんは言っていた。
「この子が大きくなった時、
ふるさとが再びすばらしいところに
なってくれていたら」。

とちぎテレビ
飯島誠

2021年05月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

プロフィール

飯島 誠(いいじま まこと)

■氏名:
 飯島 誠(いいじま まこと)
■誕生日:
 5月22日
■出身地:
 栃木県小山市
■趣味:
 鉄道旅行、「ウチのメダカ」の飼育
■特技:
 話し相手の地元の話に強い(合わせられる)
■モットー:
 ゼロから。
■好きな...

詳しいプロフィールはこちら

アナウンサーブログ一覧

最新のブログスレッド

  • まろにえーるTV 超
  • 放送番組の違法配信撲滅キャンペーン
  • イブ6プラス
  • うたの王様 よくあるご質問
  • とちテレYouTubeチャンネル
  • 海と日本PROJECT